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執筆者の写真新橋スタンプ商会

小判より大きく、大判より小さい「天保五両判金」とは?その価値と歴史について

今回は、江戸期唯一「五両」の額面を持つ「天保五両判金」の価値と歴史についてご説明します。

大きさは約37.7g、サイズ約9センチ×5センチとなり、小判よりも大きく、大判よりも小さいサイズになります。金の品位は84.2と高く、その美しさと大きさから今人気の高い古銭の一種となっています。


天保小判金がつくられた背景と当時の価値について

天保といえば、水野忠邦の「天保の大改革」。その中で貨幣改鋳も行われ、初めてこの「五両」の額面の五両判金が誕生しました。ちなみに、同時代には天保小判金がつくられましたが、小判は「一両」の額面を持ちます。

額面でみる五両判金と小判の価値

つまり上の通り、天保小判金5枚と、天保五両判金1枚が両替できたわけですが、そこにはからくりがございます。

天保五両判金の金の含有量は、33.7g×0.842=28.3g。天保小判の金の含有量は、11.2g×0.568=6.36g。これが5枚なので、31.8gになります。つまり、金の含有量でみると、下の通り、4両と2分(1両=4分)ほどしかありませんでした。これが幕府の狙いです。

金の価値でみる五両判と小判の価値

金の価値が下がるのであれば、当然交換しようとは思いませんよね。ということで、商人からの評判は悪かったようです。また、この大きさも使い勝手が悪かったようです。大判金はもともと、贈呈用に作られたからあの大きさでも問題ございませんが、実用的につくられたのであれば、持ち運びには不便です。

江戸の商人

以上の理由からわずか6年で鋳造がストップしました。そのため、希少性は高くなります。


現代における五両判金の価値とは?

ちなみに1966年、富士見町の喫茶店の地下改築工事現場で、壺の中から天保小判、五両判金が出てきたことがあります。この時、天保小判101枚に対し、五両判金はわずか6枚しかでてきませんでした。ここからも、希少性の高さがうかがえます。

もともと希少性が高い五両判金ですが、最近さらに人気が高くなっている印象ですので、買取価格も上がっています。

数年まえであれば、100万円少し程度でしたが、今であれば綺麗な状態だと150万円を超える買取額になります。

ちなみに、小判や五両判金における綺麗な状態とは、ゆがみや傷がなく、両替印がない状態(無刻印)を指します。

小判や五両判金が使用されると、写真のように刻印が打たれます。これは使用跡ということになります。ですので、この刻印がないまっさらな状態ですと、買取価格が高くなります。逆に刻印が多いと買取額は下がってしまいます。

両替印跡

いかがだったでしょうか?今回は「天保五両判金」の価値や歴史についてご説明しました。また、今後もいろんな古銭を扱っていきたいと思います。

もし、「天保五両判金」をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お問い合わせいただければと思います。今が高額買取のチャンスです!


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